第1回
コンスピラシィXの市販シナリオである"The night of RAGE" をご紹介します。
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本シナリオに登場するキャラクター、シチュエーション、施設、企業、
その他は全て架空のものである。もしも現実との類似があれば、それは
何らかの巨大な陰謀に違いない。(It's all a big conspiracy anyway)
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冒頭からいきなりエンジン全開で飛ばしていますが、これがコンスピラシィXの
ゲームマスタースクリーンに付属している市販シナリオ"The night of RAGE" の前
書きです。
コンスピラシィXの基本ルールブックにはシナリオが含まれていないので、これ
が記念すべき第1シナリオということになりますね。
The night of RAGE は、ある小さな田舎町で生ずる怪異を扱ったシナリオです。
PC達は、この町で起きた殺人事件を捜査しているうちに、恐るべき超自然現象
に気づき、やがて一連の事件の背後に潜む邪悪な存在と対決することになります。
お分かりの通り、もろに「Xファイル」を意識した作りになっています。
「まずは、TVでおなじみの話をプレイして、早くルールに慣れて下さい」という
ことでしょう。
**
シナリオ本文は約20ページ。プレーヤーに手渡すためのハンドアウトが6ペー
ジ。さらに、9ページに渡って、登場する主要NPCの会話集が付いています。
会話集というのは、PCが尋ねるかも知れない主な質問について、各NPCがど
のように答えるかをずらーっと並べたものです。
これはゲームマスターにとっては非常に便利な付録でして、聞き込みシーンなん
かで「えーと、このNPCはそれについて知ってたっけ?」とか悩む必要がなくな
る上に、NPCの口調も考えなくて済むというわけです。
全体的な印象としては、ゲームマスターに対して割と親切な作りになっています。
もっとも、これは私が恐ろしく不親切なシナリオ(トラベラー系)ばかり読んでい
るためにそう感じるのかも知れませんが。
**
このシナリオの狙いは、とにかく「Xファイルをやってみよう」といって何も知
らないプレーヤーを集めることにあります。
ですから、宇宙人やUFOや敵組織の陰謀はほとんど登場しませんし、PC達が
陰謀を巡らせることもありません。
プレーヤ� �に「イージスは、超自然現象の脅威から人類を守るために戦っている
正義の秘密結社なんだ」と説明しても何ら問題ありません(笑)。
このシナリオをプレイしてコンスピラシィXを気に入ったプレーヤーがいれば、
「じゃ、次はUFOネタのシナリオをやろう」などと言って、第2シナリオである
"Grey Matter" をプレイするとよいでしょう。
**
さて、The night of RAGE に話を戻します。
このシナリオには、付録としてPC6名と、彼らのセルが、テンプレートとして
付いてきます。この6名から好きなPCを選んでそのままプレイすることも出来る
し、手を加えてカスタマイズすることも可能です。
コンスピラシィXのキャラクターをフルスクラッチで作成するのはすごく時間が
かかるので、とにかく早く始めたいという場合に、このテンプレートは非常に重宝
します。
というわけで、各テンプレートについて紹介します。
[リーダー] 女性 出身組織:超能力研究所
彼女は早くに母親を失い、父親と2人きりで暮らしていた。彼女が6歳のとき、
父親が自殺。1人ぼっちになった彼女は、父親の遺体のそばにずっと座り続けた。
警察がやってきて、宙を見つめて両親と「会話」している彼女を保護したときに
は、父親が死んでから2日が経過していた・・・。
後にイージスの超能力研究所に研究員としてスカウトされた彼女は、そこで業績
を挙げ、やがて自分のセルを作ってフィールドワークに乗り出すことを許可された。
思慮深いセルリーダーとして活躍している彼女は、今でもときどき休暇をとって
生家を訪ね、そこで両親と「会話」するのが習慣となっている。無人の廃屋に一人
座り、宙を見つめて。
セリフ「もう一度、最初からプランを確認してみ� ��しょう。全員が自分のやるべき
ことをちゃんと理解しているか確かめておきたいの」
[戦闘員] 男性 出身組織:シークレットサービス
次期大統領候補の暗殺を企むテロリスト集団のアジトに踏み込んだシークレレッ
トサービスのメンバーは、ただ一人を除いて全滅した。重傷を負って病院に収容さ
れた唯一の生存者は、「トカゲのような宇宙人」や「彼らを指揮していた大統領」
についてうわ言を言いつづけた。
大統領の側近が駆けつけた頃には、彼は既に「死亡」しており、遺体は行方不明
となっていた。実際には、彼はイージスの手によって保護されたのである。
彼は、周囲のあらゆる人物が「奴ら」の手先で、彼を電波で攻撃していると思い
こむ癖がある。そういう場合、彼はしばしば衝動的に銃を撃ってしまう・・・。
セリフ「奴らはどこにでもいる。お前も奴らの一味かも知れない。みんな、自分で
も気づかない うちに奴らに操られているんだ・・・やはりそうかっ」
[UFOマニア] 男性 出身組織:FBI
中国で生まれ、14歳でハーバード大学に入学した天才少年。卒業後にFBIに
入り、捜査官として活躍。その驚くべき捜査能力でイージスの存在を発見した彼は、
自ら志願してイージスのメンバーとなった。
世の中に自分の知らないことがあるのが許せない彼は、宇宙人や超自然現象につ
いての全てを知ることを目指して今日も捜査を続けている。また、彼はコンピュー
タゲームに中毒しており、どんな状況にあろうと暇があれば携帯端末を開いてゲー
ムに取り組む。彼は、まだ解いてないゲームが存在することが許せないのである。
セリフ「東テキサスで起こったキャトル・ミューチレーションの話は聞きました?
ボクはこの事件について全てを調べあげるつもりなんです」
[霊能者] 男性 出身組織:超能力者
南アフリカのある部族の子供として生まれた彼は、物を手で触るだけで、その所
有者について知ることが出来るという霊感の持ち主だった。ある事件でアトラン人
に遭遇した彼は、彼を天使だと思い込み、自分は人類を霊的に導くために選ばれた
のだと信じるに至る。
イージスの秘密研究所によって保護された彼は、人類のために自分の霊能力を役
立てるべく、フィールドワークに参加するようになった。
彼は超能力の使用に伴う激しい頭痛を抑えるために鎮痛剤を常用しており、この
ために彼の意識は常に半トリップ状態にある。
セリフ「天国を見た・・・まだ人類はあそこにゆく準備が出来てないんだ・・・全
ての心が一つに溶け合ったとき、僕たちはきっと・・・」
[復讐者� � 女性 出身組織:麻薬取締局
彼女は、その美貌によってトップモデルへの階段を駆け登っていた。だが、飛行
機事故により右目を失い、顔面の半分に醜い傷を負ったとき、彼女の夢は永久に打
ち砕かれてしまった。事故が、麻薬取引に関係して人為的に起こされたということ
を知ったとき、彼女は残る人生を復讐のために費やすべく、麻薬取締局のエージェ
ントとなった。
あるとき、放棄された空軍基地の地下にある「ヘロイン密造工場」に踏み込んだ
彼女は、ヘロイン密造工場ではなくイージスの秘密基地を発見してしまった。彼女
には選択肢が2つ与えられた。消されるか、イージスのメンバーになるか、である。
セリフ「目をそらさずに私の顔を見なさい。それが、この世の見納めよ」
[パイロット] 男性 出身組織 :墜落UFO回収部隊(ムーンダスト)
空軍のトップガンだった彼は、湾岸戦争でイラク軍に撃墜され、公式には「死亡」
した。しかし、実際には彼は瀕死の重傷を負った状態で救出され、グルームレイク
極秘研究所(エリア51)に運び込まれたのである。
致命的なダメージを負っていた彼の神経系を回復させる方法は一つしかなかった。
アトラン人のナノテクノロジーである。身体に注入されたナノマシンは彼の神経シ
ステムを作り替え、彼をエースパイロットとして復活させた。
セリフ「ここまでは他のパイロットにも出来る。さあ、その先を見せてやるぜ」
**
というわけです。この6名が一緒に行動すれば・・・
どんな事件も決して解決しないような気がするのは私だけでしょうか?
第2回
さあ、いよいよ"NEMESIS - The Grey Soucebook"を紹介しましょう。
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あなたは宇宙人に誘拐されたことがありますか?
・・・それは確かですか?
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「グレイソースブック」は、地球に潜入して陰謀を進めている3種類の宇宙人の
うち、最も遭遇頻度が高い「グレイ」について、それはもう徹底的に解説するソー
スブックです。
とにかく、本当に丸ごと一冊グレイ漬けの本で、ここまで書いちゃっていいのか
しら、というところまで突っ込んだ解説になっています。気合はいりまくりです。
正直言って、読む前は「どうせ、どっかのTV特番みたいに、煽るだけ煽って、
逃げるんだろう」とか思っていたのですが、これは私が甘かった。
結論から言うと、このソースブックは一歩たりとも逃げていません。
グレイという種族に関する設定を積み重ねることで、地球における彼らの奇怪な
活動についてそれなりに合理的な説明を提供しているのです。
それにしても、グレイの陰謀に「筋の通った」説明を与えるために、種族進化史
から何から設定を作ってゆくというデザイナーの姿勢には頭が下がる思いです。
RPGの背景世界設定は、こうでなければなりませんね。
**
グレイソースブックは100ページ弱で、5つの章とシナリオ1本から構成され
ています。表紙は「今まさにあなたを誘拐しようとしている3人のグレイ」という
感じの絵で、ちょっと電車の中で読むのは恥ずかしいかも知れません。
第1章 未知との遭遇(Close Encounter)
第2章 進化(Evolution)
第3章 解剖(Vivesection)
第4章 グレイテック(Lenses & Psychotrons)
第5章 人類補完計画(Hybrids)
シナリオ「グレイ・マター(Grey Matter) 」
**
ところで、あなたはそもそも「グレイ」についてご存じでしょうか?
・普通の人間より小柄で、皮膚は灰色。体毛は一切なく、衣服を着用しない。
・人間に比べて頭部が異様に大きい。さらにアーモンドの形をした瞳孔のない
不気味で巨大な黒い目をしている。
・着陸したUFOから数人のグループで現れて、人間を誘拐したり、頭の中に
怪しいメッセージを送り込んできたりする。
・ときどき墜落したUFOから遺体が回収され、解剖されたりするらしい。
と、ここまで書けば「ああ、あいつらか」と思い当たるでしょう。
コミック、映画、TVドラマに何度も何度も登場し、今では宇宙人の代名詞みた
いになってしまった彼らが、「グレイ」です。
**
「グレイソースブック」を読めば、グレイの陰謀について全てが分かってしまい
ますから、プレーヤーはこれを決して読んではいけません。
以降の解説では、イージスに知られている範囲(ということは、どうせゲームマ
スターがプレーヤーに説明することになる情報)に絞って書いてゆきます。これよ
り先の情報は、コンスピラシィXを実際にプレイして、自分で発見しましょう。
そして、常に忘れないように。
コンスピラシィXの世界では、「真実の暴露」は、常に「より恐ろしい真実」を
隠すための隠蔽工作なのです・・・。
第1章 未知との遭遇(Close Encounter)
この章は、ごく短い導入部です。今から50万年前のファーストコンタクトから
1995年に起きた「バミューダ海底基地の反乱」に至るまでの、主な出来事を並べた
年表がついています。
第2章 進化(Evolution)
この章では、グレイの歴史が語られます。
[主な内容]
・惑星「グレイワールド」の位置
・グレイワールドにおける生物の進化史
・グレイの祖先と、知性獲得の経緯
・アトラン人とのファーストコンタクト
・グレイの種族的危機と地球の発見
子供たちは何を聴いているか
・ロズウェル事件の真相
・ブラックブックとの結託
・人間誘拐(アブダクション)の目的と手段
・地球におけるグレイの作戦基地
第2章は、このソースブック前半の山場です。ここで、グレイ達が地球にやって
きた理由、彼らの陰謀の全貌、そして彼らの行動原理や基地の場所、最終目標など
謎とされてきた全ての事実が明かされるのです。
また、ここでは「ロズウェル事件の真相(Roswell Revisited) 」が書かれてます。
「そんなの基本ルールブックに載ってたじゃん」と思った方、コンスピラシィXを
甘く見ているようですね。基本ルールブックの記述は、あれはプレーヤーの目を欺
くための陰謀なのです。
第3章 解剖(Vivesection)
この章では、グレイという種族の身体的、精神的な能力や特徴が解説されます。
[主な内容]
・身体的特徴
・ゲシュタルト
・超能力
・他の知的種族に対する見解
・弱点
・グレイPC作成ルール
何と驚いたことに、グレイのPCを作成するためのルールが規定されています。
さあ、君もグレイになって人間を誘拐しよう(笑)。
他にも、人間には習得不可なので基本ルールブックに載ってない新しい超能力が
いくつも定義されています。この解説を読めば、なぜUFOが接近すると車の電気
系統が異常を起こすのか、といった疑問が解決されます。
と、ここまでが前半です。これだけでも「おおーっ」という感じの「衝撃の真相」
がいくつも暴露され� ��いますが、やはり真に重要な暴露は後半にあります。
次回は、地球におけるグレイの具体的な活動、特に人類補完計画を中心に解説し
ます。やります。
第3回
"NEMESIS - The Grey Soucebook"紹介の後半です。
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発見された「新人類」がイージスへの協力を拒否した場合、年齢、性別、
事情のいかんに関わらず、情け容赦なく、即座に、完全に抹殺せよ。
[新人類に関するイージス上層部からの指示]
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第4章 グレイテック(Lenses & Psychotrons)
グレイが使用する「テクノロジー」を解説します。
グレイの文明は超能力を基盤としているので、そのテクノロジーも当然のことな
がら非常にサイキックなものです。
・サイキックレンズ(Psychic Lenses)
サイキックレンズとは、超能力を増幅するデバイスです。最も一般的なレンズは
テニスボールくらいの大きさをしており、グレイ達はこれを腕に装着して使います。
レンズは機械的・電子的な道具ではなく、有機的な存在です。実際、レンズの正体
は、超能力に適応した生命体なのです。
レンズには数多くの種類があり、それぞれのレンズは特定の超能力だけを増幅す
る機能を果たします。例えば「アムネジア(忘却)レンズ」なら、狙った相手の記
憶を消す超能力を増幅します。
あなたが人里はなれた山中で、UFOの着陸現場を目撃したとします。あなたの
存在に気づいたグレイは、アムネジア・レンズを使用するでしょう。レンズから発
射された怪しい光線が命中すると、あなた� ��気を失ってしまいます。気づいたとき
には、目撃したことを全て忘れているというわけです。
他にもグレイ達は様々なレンズを使いこなします。テレパシー(思念投射)レン
ズとか、パラライシス(精神攻撃)レンズとか。
(備考)これはとっても個人的な提案ですが、レンズを装着したグレイのことを、
「グレイ・レンズマン」と呼ぶことにしてはどうでしょうか?
・レンズシップ(LenShip)
グレイのテクノロジーは、全てサイキックレンズを基本としています。例えば、
「レビテーション(空中浮遊)レンズ」を考えてみましょう。グレイ達は、直径数
十メートルという巨大なレビテーション・レンズを作り出します。この巨大レンズ
の周囲を金属装甲で覆い、さらにレンズの中央を� ��り抜いて複数の部屋を作れば、
レンズシップが完成します。レンズシップは、操縦者のテレキネシス(念力)を増
幅して自分自身に働かせることで、空中を自由に飛び回る機能を持っています。
レンズシップの外見は・・・いや、これは説明の必要はありませんね。「あれ」
です。なお、グレイソースブックには「アブダクション(人間誘拐)用レンズシッ
プ内部構造図」なんていう、怪しさ爆発のマップが載っています。ふう。
・インプラント(Implants)
あなただって、宇宙人に誘拐されたからには、身体のどこかに怪しい機械が埋め
込まれてないと物足りないでしょう。出来れば、レントゲン撮影で、脳の中に怪し
い金属片がインプラントされているのが写ってほしいものですね。(しかも、そ� ��
を撮影した医師が交通事故で死亡し、フィルムが紛失したりすると、もう最高)
インプラントの正体は、極小サイズのサイキックレンズです。インプラントの機
能は様々で、例えば「被験者を追跡できるようにする」とか「被験者の行動を遠隔
地からモニターする」といった単純なものから、「いざというとき、被験者の精神
を完全に支配し、指示した通り行動させる」といった便利なものまであります。
どれほど多くの人間が、怪しいインプラントを身体に移植され、しかもそのこと
を強制的に忘却させられているか、それを知ったらきっと驚きますよ。ふふふっ。
・サイボット(PsiBiots)
グレイのサイキックレンズと、ブラックブックが提供したサイコトロン(超能力
バッテリー)、機械 工学、電子工学を統合した結果、サイボットが誕生しました。
サイボットは、超能力をベースとした動力系、駆動系、制御系を持つ独立行動型
ロボットです。グレイとブラックブックは、協力して様々なサイボットを作り出し
ました。「スパイ・サイボット」「警備サイボット」「作業用サイボット」「人間
誘拐用サイボット」「研究用サイボット」といった具合です。
サイボットの行動は、あらかじめプログラムしておかなければなりません。ソー
スブックには、サイボットプログラムについて規定と例が載っています。誘拐サイ
ボットに対して「牛を発見したら、屠殺し、その心臓と生殖器を切除して持ち帰れ」
と指示する、という具合です。うううむ。
第5章 人類補完計画
グレイの人類補完計画(Human Breeding Program)について簡単に説明しましょう。
地球に潜入したグレイ達の目標(の1つ)は、地球人類を遺伝子レベルで改変し
グレイにとってより完全な種族にすることです。
現在の地球人類は、グレイのマインドコントロールを完全には受け付けません。
(だからこそ、宇宙人に誘拐されて生体実験されたことを、後から催眠術で思い出
したりするのです)
そこで、人類の遺伝子に、グレイの遺伝子を混入します。すると、肉体的には完
全に人類と同じでありながら、平均的な人類をはるかにしのぐ超能力を持ち、知能
が高く、さらに(ここが重要ですが)グレイによる完全な精神支配が可能な新しい
種が生まれるのです。これが、新人類(meta-human)です。
グレイは、数多くの人間を誘拐して、� ��の生殖細胞に遺伝子レベルで変異を加え
ました。すると、彼または彼女の子供は、新人類として生まれてくるのです。
こうして誕生した新人類たちは、グレイによる精神支配を受けながら、人類社会
に溶け込みました。彼らは平均的な人類より優秀で、しかも超能力を持っています。
当然、彼らは(グレイの指示に従って)その能力を隠しつつ活用し、社会の上層部
に昇ってゆきました。
現在、アメリカ社会の支配階級は、かなりの割合で新人類によって占められてい
ます。彼らはグレイの指示に完全に従いますから、グレイ達は間接的ながら米国を
乗っ取ることに成功したわけです。
**
グレイ遺伝子は、優勢遺伝します。すなわち、新人類と旧人類が交配した場合、
生まれてくる子供 は新人類となります。お分かりの通り、新人類の数は、世代を下
るにつれて急激に増加します。
第1世代の新人類は、全員がグレイの監視下に置かれていました。
第2世代、第3世代になると、グレイも全員を監視しきれなくなります。このた
め、グレイの監視下にない、そもそもグレイと一度も接触したことのない、自分達
の正体を知らない新人類がどんどん生まれています。
**
これが、人類補完計画(Human Breeding Program)の現状です。ここまでの情報は
イージスにも知られていますから、きっとゲームマスターに聞けば教えてくれるこ
とでしょう。(もちろんイージスに知られてない事実もありますが、それは自分で
発見しましょう)
イージスは人類のために戦う正義の秘密結社ですから、当然のことながらグレイ
の恐るべき人類補完計画を全力で叩き潰そうとしています。具体的な活動内容は、
新人類狩りですね。
とにかく超能力者は新人類の疑いがあります。とりあえずイージスの超能力研究
所に強制収容しましょう。逆らう奴は人類の敵ですから、情け容赦なく抹殺しなけ
ればなりません。これはイージス上層部から出されている最優先指令です。
PC達はイージスの手先ですから、非協力的な新人 類を発見したら、たとえそれ
が14歳の美少女だろうと、自分の母親だろうと、合衆国大統領であろうと、ため
らうことなく抹殺して下さい。それが正義です。
**
というわけで、あなたの周囲には
−怪しいインプラントによってグレイにマインドコントロールされている上司
−自分でも知らないうちにグレイに精神支配されており、突然暗殺者と化す仲間
−今は心優しい美少女だが、後にグレイによって操られ敵となる強力な超能力者
といった連中がうようよしているのです。
ですから、誰も信じてはいけません。自分さえも疑わなければなりません。
これが、コンスピラシィXの世界です。・・・とっても楽しそうですね。
第4回
"NEMESIS - The Grey Soucebook"紹介の最終回です。
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不幸なことに、このシナリオに登場する民間人の存在意義は、ただ悲鳴を
上げて逃げ回り、悲惨な殺され方をするか、あるいは必要に応じて人質に
なることだけである。
イージスの手先がどれほど無慈悲か、試して見るのも一興であろう。
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シナリオ「グレイ・マター」(Grey Matter) は、コンスピラシィXの市販シ
ナリオ第2作です。
明らかに「初めてコンスピラシィXをプレイする人々」への配慮が見られた
第1作と違って、本作にはそんな配慮も遠慮もはなっからありません。
**
オープニングからして、こうです。
とあるTV局が、「ショック! 宇宙人の死体解剖シーンをスタジオか
ら完全ナマ中継!! ついに我々は真実を目撃する!!! 」という、UFO
特番を企画する。予告編を見たイージスのメンバーに衝撃が走った。信
じがたいことに、本番の時間までスタジオの冷暗室に保管されていると
いう「それ」は、間違いなく本物のグレイだった・・・。
ここで、黙って席を立って帰ってしまうプレーヤーがいたとしても、責めて
は酷というものでしょう。このオープニングで「うむ。それはまずいな。急い
で宇宙人の死体を回収して、関係者の口を封じなければ」などと言い出すよう
な連中とだけプレイすることにして下さい。
**
このシナリオ自体は(なにしろ入門シナリオですから)非常に単純です。
PC達は、TV局に密かに潜入し(あるいは、いきなりドンパチやりながら
突入し)、警備員を皆殺しに� ��て、グレイの遺体を回収し、目撃者を全て消し
てから脱出すればOKです。簡単ですね。
プレーヤーは基本的な判定ルールと戦闘ルールだけ知っていればプレイ可能
です。それも面倒なら、とにかく銃撃戦ルールだけ理解して、銃を撃ちまくれ
ばよろしい。
一方、ゲームマスターは、超能力に関する基本ルールと、グレイの超能力に
関する特殊ルールを知っておく必要があります。え、なぜかって?
**
PC達は、火力だけではミッションを達成できないはずです。
生還するコツは、誰が敵で、誰がもっと恐ろしい敵で、誰が最悪の敵である
かを素早く見抜くことです。敵の敵はとりあえず味方、ということを利用する
のも忘れてはいけませんね。
もし、PC達がミッションを 達成して生還すれば、彼らは知らず知らずのう
ちに恐ろしい陰謀に巻き込まれ、もう抜き差しできなくなっていることに気づ
くはずです。
歌詞イエス·キリスト、どのようなかわいらしい顔
シナリオ自体はここで終わりですが、嬉しそうに「よーし、陰謀に対抗できる
のは陰謀だけだ」とか「追い詰められた人間がどんな恐ろしい陰謀に手を染めるか
見せてやる」などと言い出す愚かなプレーヤーがいれば、彼ら(だけ)を集めて、
キャンペーンに突入するとよいでしょう。
第5回
コンスピラシィXのホームページにアクセスすると、タイトルの下に大きく
「18」という数字が描かれています。
この数字は何を意味するのでしょうか?
よく見ると、その左右に、それぞれ"AREA 51" とか"ROSWELL" といった謎めいた
文字が並んでいます。18は、この2つを結ぶ通過点を表しているようです。
ホームページの製作者は、明らかに「これで、見た人は18が何を指すのか常識
で分かる」と思っているのでしょう。
そう、米国では、この程度は「常識」の範囲なのです。(たぶん)
**
ある調査によると、アメリカ人の何と半数近くが「UFOは宇宙人の乗り物であ
る」とか「連邦政府は墜落したUFOの残骸や宇宙人の遺体を隠している」と信じ
ているそうです。
コンスピラシィXはこういう国で作られたゲームですから、その背景世界やルー
ルの説明は、読者がUFO神話に関する「常識」を持っていることを前提に書かれ
ています。
このため、平均的な日本人が読むと「� �じゃそりゃ?」と首をひねるような記述
が続出することになります。
なにしろ、いきなり「グルームレイク研究施設で行われている研究プロジェクト
の成果は・・・」とか「いわゆるMIBの正体は、何と・・・」とかいった調子で
説明されるのですから、「おいおいおい、ちょっと待ってくれ、そもそも何の話だ
そりゃいったい」となるのも無理はありません。
そこで、この連載では、コンスピラシィXを理解する上で困らないよう、最小限
の「米国におけるUFO神話に関する常識」を解説しようと思います。
第6回
[史実]
前世紀の終わり頃、1896年の11月から翌年の5月にかけて、米国全土で謎
の飛行船が目撃された。目撃された飛行船は、いずれもプロペラ駆動により飛行し
ていた。しかし、当時の技術で建造可能な飛行船は気球と大差なく、プロペラ駆動
による飛行は不可能なはずだった。
ある目撃談によると「背の高い、頭髪のない奇妙な人影が、田舎道で2人の男を
誘拐しようとした。彼らは誘拐に失敗すると、葉巻型の飛行船に乗って逃走した」
とのことである。
今世紀に入った1909年、英国でも謎の飛行船の目撃者が多発した。飛行船は
高速機動が可能で、しばしば強力なサーチライトで地面を照らした。着陸現場を目
撃した者もいる。いくつかの証言によると、着陸した飛行船から複数名の 「外国人」
が現れ、何か作業していたが、目撃者に気づくと急いで飛行船に乗り込み、そのま
ま飛び去ったという。
1913年、謎の飛行船の目撃は英国全土に波及した。飛行船はますます速度を
増し、強い光を放つようになっていった。新聞社には数100件を超える目撃談が
よせられた。この騒ぎは「飛行船病」と名付けられた。
1933年から翌年にかけて、スカンジナビア半島一帯で数10件の幽霊航空機
の目撃事件が発生した。航空機はエンジン音もなしに高速機動したり、地面に向け
てサーチライトを照らしたりしたという。これらの幽霊航空機の挙動は、明らかに
当時の技術では不可能なものだった。
第二時世界大戦中、英国軍のパイロットはしばしば謎の航空機を目撃した� �これ
らの航空機は「フー・ファイター(幽霊戦闘機)」と呼ばれ、ドイツ軍の秘密兵器
だと考えられた。
言うまでもないことだが、ドイツ軍のパイロットもフー・ファイターを目撃して
おり、英国軍の秘密兵器だと考えていた。
大戦終了後の1947年6月24日、民間パイロットであるケネス・アーノルド
氏が、ロッキー山脈のレニア山付近を飛行中に、9個の不思議な物体を目撃した。
彼は新聞記者に対して「それは、水の上をスキップして飛ぶ円盤のように動いた」
と語ったため、新聞記者はこの物体を「空飛ぶ円盤(フライング・ソーサー)」と
名付けた。
「空飛ぶ円盤」は流行語となり、全米に激しいフィーバーを巻き起こした。
**
以上、駆け足でしたが、19世紀の� �わりから今世紀前半にかけてのUFO目撃
史をまとめてみました。
謎の飛行船や幽霊航空機の目撃談を調べると、現代のUFO目撃談とあまりにも
そっくりであることに驚かされます。
飛行船や航空機(目撃当時は未来的なテクノロジーだったのです)が宇宙船に、
搭乗者である「外国人」が「宇宙人」になっただけで、本質的なところは何も変わ
っていません。高速飛行と曲芸めいた機動、強烈な光、人間誘拐、着陸現場で作業
する謎めいた搭乗員。
さらに、こういった事件が報道されたときの人々の熱烈な反応、そしてその後に
多発する同じような目撃事件、というパターンも全く同じです。
これは何を意味するのでしょうか?
専門家によると、可能性は2つあるそうです。< /p>
1つは、人間の無意識にはこういった原型イメージ(アーキタイプ)に惹かれる
メカニズムがあり、そういったイメージを喚起するものを目撃してしまう電波系な
人々が今も昔も存在する、という可能性です。
もう1つは、昔の宇宙人は貧乏だったので、プロペラ飛行船で地球までやってき
ていた、という可能性です。
私は、後者の仮説の方が好きです。
[コンスピラシィXの世界では]
コンスピラシィXの世界は、ドイツに潜入していた英国諜報員から、チャーチル
首相のもとに届いた1通のレポートから始まります。
そのレポートには、ヒトラーが熱心なオカルティストであること、彼が黒魔術を
使って人心を掌握し権力を握ったこと、ドイツ軍の大成功の背後には強力な呪術が
働いていること、などの報告が書かれていたのです。
チャーチルから相談を受けた米国のルーズベルト大統領は、ナチスの呪術パワー
への対抗を目的とした特別委員会を結成するよう命じました。
こうして、軍のトップクラスの将校、優秀な科学者、上院議員などの有力者が集
まり、大統領直属の秘密機関が設立されたのです。メンバーは、大統領の代行者を
除き、全部で12名でした。(そう、� ��らは12名でした)
この秘密機関は「ウォッチ(The Watch) 」と名付けられました。
ウォッチは、ナチスのオカルトパワーとの戦いを開始しました。具体的には、ヒ
トラー側近のオカルティストを次々に暗殺したわけです。ヒトラーの運勢は傾いて
ゆきました。そして、権力基盤を支えていた「運命の槍(Spear of Destiny)」が、
ウォッチの手先によって奪取されたとき、ヒトラーの命運は尽きました。
**
大戦終了後もウォッチは解体されませんでした。
なぜなら、ウォッチのメンバーは、今や政府や軍に対する強力な権力と、多大な
予算を手に入れており、しかもその存在は大衆や議会の目から完全に隠蔽されてい
たからです。これだけおいしい特権を手放そうという者がどこにいるでしょうか?
ウォッチのメンバーは、自分達の特権を守るため、極秘委員会の活動を継続する
口実を必要としていました。
ほどなくそれは見つかりました。「フー・ファイター」です。
彼らは「米国よりも優れたテクノロジーを持つ国が、その事実を知られないまま
自由に活動しているのは、国防上の重大な問題で ある」と主張し、大統領を説得す
ることに成功しました。
こうして、ウォッチは未確認飛行物体に関する調査と、必要なら対抗手段の研究
という新しい目標に向けて活動を継続することになったのです。
第7回
[史実]
ケネス・アーノルド事件によって「空飛ぶ円盤」という言葉が生まれるや否や、
またたく間に「円盤ヒステリー」あるいは「UFOフィーバー」と呼ばれるブーム
が発生し、それは全米を覆い尽くす勢いで広がってゆきました。
当初、UFOは未知の国家または組織による偵察機だと考えられ、国防上の大問
題としてとらえられました。そのため、まず真先に軍がUFO現象に対して過剰反
応を起こしたのです。
ケネス・アーノルド事件からわずか半年の間に、軍が引き起こした騒ぎを並べて
みましょう。
**
・ロズウェル事件
1947年7月7日、ニューメキシコ州ロズウェルの北西75マイルの地点にあ
るフォスター牧場の主、ウイリアム・ブレーゼルが、町の保安官を訪ね、牧場 内に
何かの残骸が落下していることを報告した。
保安官はすぐにロズウェル陸軍航空基地に連絡し、同基地の情報将校ジェシー・
マーセル少佐を始めとする3名が現地に向かい、残骸を回収した。
翌日、ロズウェル基地の広報担当官ウォルター・ハウト中尉が「墜落した円盤の
残骸を回収」と発表。新聞に記事が掲載された。
7月8日、残骸はマーセル少佐同行のもと、テキサス州フォートワース基地に空
輸され、そこからオハイオ州のライト・フィールド陸軍航空基地(後のライト・パ
ターソン空軍基地)に移された。
第8航空軍司令官ロジャー・レイミー准将は、8日夜フォートワース基地で記者
会見を行い、「回収されたのは気象観測用気球だった」と説明した。
**
・マ� �テル大尉事件
1948年1月8日、ケンタッキー州ゴッドマン空軍基地近くにUFOが出現し
マンテル大尉の操縦するP51戦闘機が追跡に向かった。大尉は興奮のあまり酸素
マスクを装着しないで高度を上げすぎて失神。同機は墜落した。
後に、問題のUFOはオハイオ州クリントン・カウンティ空軍基地から打ち上げ
られた観測気球であることが判明した。
**
・ハンガー18
1948年2月13日、ニューメキシコ州アズテクで、落下する物体がレーダー
に捕らえられた。ヘリコプター隊がアズテク近くのハート渓谷で墜落現場を発見し
たとされている。
以降は伝説だが、ヘリ部隊は現地で残骸と黒こげの遺体を回収し、それらをオハ
イオ州のライト・パターソン空軍基地� ��運びこみ、第18号格納庫(ハンガー18)
に保管したとのこと。それらの「残骸」や「遺体」が何であったのかは発表されて
いない。
ライト・パターソン空軍基地は、たまたまロズウェル事件の回収残骸が運び込ま
れた場所でもあり、このことから後に「ハンガー18には、ロズウェルやアズテク
など全米で回収されたUFOの残骸や搭乗員の遺体が保管されている」という伝説
が生まれた。
**
こういった騒ぎが、実に半年の間に立て続けに起きたのです。当時「空飛ぶ円盤」
から米国を守るために軍が奮起して、頭に血がのぼっていた様子がよく分かります。
もちろん、やがて軍も冷静になり、UFOで大騒ぎするのは止めるようになりま
した。こうして、50年代の後半になる、 軍が率先してUFO騒ぎを起こすという
愚かなことはなくなったのです。
ずっと後、80年代になって、UFOで飯を食っている人々が新しいネタを思い
つきました。それは「当初、軍があれだけ大騒ぎしておきながら、その後パタリと
UFO騒ぎを起こしてないのはなぜだろうか」「それは、きっと彼らが何か隠して
いるからに違いない」というものです。
「奴らは何か隠している」「奴らは陰謀をねっている」という話題は、いつの時
代も強烈な魅力を発揮します。
**
マスコミはこのネタに飛びつきました。
例えば、ロズウェル事件について「私は空飛ぶ円盤の残骸を見た」とか「宇宙人
の遺体が運ばれているのを見た」と発言するだけで、全国ネットワークTVの番組
に出� ��して膨大なギャラを手にできるとしたら、ためらう人がいるでしょうか。
こうして、40年以上も前の事件について、目撃者と称する人々が大量に現れま
した。彼らは口々に証言しました。「ロズウェルで回収されたのは宇宙船の残骸だ
った」「宇宙人の遺体も回収された」「いや、宇宙人の遺体が回収されたのはロズ
ウェルじゃなく、その近くの峡谷だった」「保護された宇宙人は生きていたのだ」
「宇宙人が看護されているのを見た」「生きていたどころか、宇宙人は政府と密約
を交わしているのだ」「実は政府を動かしているのは宇宙人と結託している一握り
のエリート達なのだ」「もちろんエルビス・プレスリーは生きている」
とにかく前の人より衝撃的なことを言った方が勝ち、という感じ です。
これらの証言には全く信憑性がありませんでしたが、それが何でしょう。政府や
軍がUFOや宇宙人に関して何か隠しているのは「これだけ大量の証言を見ても」
明らかではありませんか。
誰が次のスーパーボウルを歌うつもりですか?
1994年、空軍がロズウェル事件について調査した結果を公開しました。公開
資料は、ロズウェルに墜落したのがモーガン計画という軍の秘密計画で作られた観
測用気球だったという真相を明らかにした上で、次のように述べています。
「UFO研究家たちは、この報告書を読んで、もみ消し工作が今も行われていると
主張することだろう」
もちろん、その通りでした。
[コンスピラシィXの世界では]
1947年3月、「ウォッチ」の超能力者チームが宇宙人とのテレパシー交信に
成功しました。「彼ら」の実在が裏付けられたため、ウォッチは早急に対応を迫ら
れることになったのです。
ハト派は主張しました。
「彼らと平和的にコンタクトして、情報や知識を獲得しよう。ソビエトより先に」
タカ派は主張しました。
「勝てるかどうか分からない未知の敵と無防備にコンタクトするのは愚かな行為だ。
まず彼らのテクノロジーを調査して、弱点を見つけよう」
両派の議論はエスカレートしましたが、最終的にはハト派の意見が採用されまし
た。ハト派は急いで宇宙人との正式コンタクトの準備を始めました。
ところが、タカ派を構成している軍のトップ達は納得していませんでした 。彼ら
は密かに軍を動かし、コンタクト予定地点の近くにあるホワイトサンズ・ミサイル
試射場に地対空ミサイルを手配したのです。
**
7月、ハト派のメンバーはコンタクト予定地点であるニューメキシコ州のとある
メサ(台地)の上に、機材や、研究者チーム、超能力者チームを配備しました。
この準備作業からコンタクトに至るまでの詳細については、スピルバーグ監督の
「未知との遭遇」という映画で事実そのものが描かれていますから、そちらを参照
して下さい。
映画と現実が異なっていたのは、そのラストです。
メサの上空に巨大UFOが静止した瞬間、ホワイトサンズからミサイルが発射さ
れました。一方、超能力者チームは宇宙船内の搭乗員との間にテレパシー接触を 開
くことに成功しました。
・宇宙船のレーダーというべきクレヤボヤンス(透視)担当員は、テレパシー
接触に気を取られていて、接近するミサイルの捕捉に失敗したのです。
ミサイルは宇宙船に命中しました。次の瞬間、宇宙人と精神コンタクトしていた
超能力者チームは壊滅しました。ある者は即死し、別の者は発狂しました。何とか
生き延びた者も重度精神障害を被ったのです。
・レビテーション(浮遊)レンズが破損し、スコートシップ(偵察船)は急速
に高度を失ってゆきました。宇宙船は地面に接触して多数の破片をばら蒔い
てから、その反動で一時的に高度を維持してそのまま飛行を続けました。
搭乗員達の必死の努力にも関わらず、宇宙船は結局ロズウェル近くの峡谷に
墜落しました。
**
タカ派は、すぐに行動を起こしました。この事態を予想して準備されていた回収
チームが出動して、墜落現場に到達しました。彼らは墜落した宇宙船の残骸などを
持ちかえりました。それらは数多くの箱に詰められ、ウォッチのタカ派の支配下に
ある陸軍基地に空輸されたのです。
事態を予想してなかったハト派は、出遅れました。彼らが悲劇に終わったコンタ
クトの後始末をつけ、証拠をもみ消したときには、既にタカ派が遺留物の空輸にと
りかかっていたのです。
ハト派は反撃に出ました。熾烈な権力闘争の結果、タカ派は陸軍基地を手中にし、
ハト派は空軍基地をおさえました。
残骸の多くはタカ派の勢力下にある陸軍基地に運び込まれましたが、一部は空軍
基地に送ら� ��、ハト派の手に落ちました。
・墜落を生き延びたのは、後に「ヨブ」と名付けられることになる個体だけで
した。ヨブは重傷を負っており、駆けつけた回収部隊に救出され、陸軍病院
に収容されました。
ヨブは、これからの自分の行動に、自分の命だけでなく、種族全体の命運が
かかっていることを知っていました・・・。
**
混乱と闘争の数日間が終わり、生き延びたハト派のメンバーは墜落した宇宙船の
残骸の一部と共にライト・パターソン空軍基地に集結しました。彼らは残骸を収め
た格納庫を当面の作戦本部とすることに決め、そこでタカ派と戦うための作戦会議
を開きました。
今や、ウォッチは対立する2つの陣営にはっきりと分離していました。
も� �タカ派は陸軍を支配しており、墜落した宇宙船の残骸の大半(に加えてもっ
と貴重な回収物)を手にしています。既に、陸軍の秘密研究計画(ブラック・プロ
ジェクト)チームが残骸の解析に取りかかっていました。
もとハト派は政府機関と空軍、それに政府機関の元にある秘密研究所や超能力者
を手にしていますが、墜落した宇宙船の残骸はほんの一部しか手にしていません。
彼らは、タカ派を抑えるための陰謀や謀略を次々に実行に移し始めました。これら
の陰謀は、イージス作戦と呼ばれました。
第8回
[史実]
前回は、ロズウェル事件やハンガー18といった話題を通して、いかにして米国
のUFO神話に「UFOや宇宙人に関して、政府や軍は何か重大な秘密を隠してい
る」という陰謀論が付け加わったのかを解説しました。
この陰謀論は大ヒットを飛ばしました。ここから数ある都市伝説が生まれ、UF
Oは名実ともに現代の神話としての確固たる地位を占めることになるのです。
「Xファイル」も、「インディペンデンス・ディ」も、この陰謀論がなければ存在
しなかったでしょう。もちろんコンスピラシィXもそうです。
ところで、あなたはきっと、この手の陰謀論を「本気で」信じている人がいるな
どとは想像も出来ないでしょう。ところが、あるアンケート調査によれば、米国民
の何と48パ ーセントが「政府はUFOや宇宙人に関して重大な情報を国民から隠
している」と信じているそうです。これは日本の総人口より多いのです。
では、この陰謀論に関わるいくつかの話題について見てみることにしましょう。
・秘密倉庫伝説
ライト・パターソン空軍基地の第18号格納庫(ハンガー18)伝説が元になっ
て、政府が「国民の目に触れさせてはならない」と判断したものを秘密倉庫に収容
している、という伝説が生まれました。
この伝説は、数多くの娯楽映画を生み出しています。
例えば、映画「レイダーズ(失われたアーク)」のラストには、恐るべき力を秘
めたアークが最後には秘密倉庫に収納されるというオチがついています。人気TV
番組「Xファイル」のパイロ� ��ト版も似たようなオチとなっています。他にも映画
「マイ・サイエンス・プロジェクト」では、高校生が学校の理科の宿題をやるため
に(笑)空軍の秘密倉庫に忍び込んで物品を持ち出し騒動を巻き起こします。
・ムーンダスト計画
実在する空軍のプロジェクトです。その目的は「米国領土内に墜落した宇宙船や
衛星の残骸を速やかに回収する」ことにあります。もちろん、ソビエト連邦との宇
宙開発競争で優位に立つためには、彼らの技術を調査することが重要ですから、こ
の計画そのものには何ら怪しいところはありません。
しかし、空軍は「もし、"墜落した宇宙船を回収する部隊"について知ったら、
あのアホな大衆はどう思うだろうか」などと余計な心配をしたのか、ムーンダスト
計画の情報を公表しませんでした。あああ、もちろんそれは全くの逆効果でした。
というわけで、ムーンダスト伝説が生まれました。
どこか人里離れた山中にUFOが墜落すると、素早く特殊部隊が出動して付近一
帯を封鎖してしまいます。そしてUFOの残骸を速やかに回収してどこへともなく
運び去ってしまうのです。それどころか、部隊は現場に残された証拠を全て隠滅し、
目撃者を黙らせ、新聞記者には出鱈目な記事を書くよう強制するというのです。
・マジェスティック12
1984年のこと。あるUFO研究家のところに、政府内部のディープ・スロー
ト(内通者)氏から1通の文書が送られてきました。これが、いわゆる「MJ12
文書」です。
この文書は1952年1� ��月付けの極秘資料で、「ロズウェル事件で回収された
宇宙船の研究や、生きたまま保護された4名の宇宙人との交渉のため、1947年
9月に大統領直属機関として、政府高官、軍のトップ、科学者など12名で構成さ
れるマジェスティック12委員会が設立された」といったことが書かれていました。
登録番号が付いてない、公式レターヘッドの透かしがない、1952年には使わ
れてなかったはずの印が押してある、つづりミスが多発している、などMJ12文
書が偽造であることは明らかでしたが、誰がそんなことを気にするでしょう?
後に、この資料を流した人騒がせな人物の正体まで判明したのですが、今でも
マジェスティック12の存在を信じている人はたくさんいます。
・エリア� �1
古い航空地図では、ネバダ州の一角にある第51航空管区(エリア51)が飛行
侵入禁止空域を示す真っ赤な色に塗られていました。ここにはノリス空軍基地があ
り、民間機がその上空を飛ぶことは禁止されていたのです。
今ではエリア51という空域は存在しません。しかし、あなたはきっとこの名前
を聞いたことがあるに違いありません。ここ数年の間に米国のありとあらゆるマス
コミにこの名前が登場しました。
エリア51が登場するのは、もちろんマスコミだけではありません。
「Xファイル」のほぼ最初の話は、頭のおかしいFBI捜査官がエリア51に単
身潜入して捕まり、記憶消去処置を受けるというものでした。映画「インディペン
デンス・ディ」では、エリア51が� ��宙人に対する米国の(失礼、人類の)反撃拠
点となります。
今やエリア51は観光名所となっています。ここへ観光客を運ぶリムジンバスが
通る道路は公式に「E.T.ハイウェー」と命名され、市長が「看板は地面に水平
に置いた方が効果的では」とジョークを飛ばすというありさまです。
さて、そのエリア51とはどんな場所なのでしょうか。
**
ネバダ州のノリス空軍基地の敷地内に、グルーム・レイクと呼ばれる乾湖があり
ます。湖の水が全て干上がってできた砂漠です。もと湖の底ですから、周囲より低
くなっており、したがって上空を飛ぶ航空機か、またはスパイ衛星でも使わない限
り覗き込まれる心配がないわけです。
ここには、1954年に空軍の飛行テスト場が設� ��されています。ドライレイク
(乾湖)の底に滑走路を始めとする各種施設が建てられました。その目的は、主に
開発中の機密航空機の飛行テストにあります。
U−2、SR−71(ブラックバード)などの偵察機、F−117Aステルス攻
撃機など、重要な空軍機の飛行テストがここで実施されています。現在、ここでテ
ストされているのは、コードネーム「オーロラ」と呼ばれる戦略偵察機だと言われ
ています。
ここが、エリア51として有名な場所です。
**
1989年11月10日、ラスベガスのテレビ局のUFO特番に出演したロバー
ト・ラザールという男が、衝撃の告白をしました。彼はエリア51のS−4と呼ば
れる地下施設で、ロズウェルで回収されたUFOの推進機構の� �究に従事していた
というのです。また、彼は同施設内で「グレイ」と呼ばれる小さなヒューマノイド
型の宇宙人を目撃したとも語りました。
ラザール氏の証言には何の裏付けもなく、矛盾も多々含まれ、また彼の経歴(自
称)も出鱈目でしたが、誰もそんなことは気にしませんでした。これらは全て彼の
話の信頼性を示す証拠だと考えられたのです。(裏付けが得られないのは政府の陰
謀だし、矛盾が出るのは隠蔽工作のせいだし、経歴が出鱈目なのは政府の情報操作
の動かぬ証拠です)
こうして、エリア51伝説が誕生しました。伝説は語ります。
ロズウェルに墜落したUFOの残骸が、ライト・パターソン空軍基地のハンガー
18から、ノリス空軍基地のエリア51に移され、そこの地� ��研究所で研究が行わ
れている。すでに、軍はUFOのプロトタイプを製造できるだけの情報を得ており、
エリア51で自作UFOのテスト飛行を行っているのだ・・・。
実際、エリア51の周辺では未確認飛行物体がよく目撃されています。これは当
然のことで、何しろ巨大三角翼タイプといった異様な形のステルス機が夜間に極秘
飛行テストを繰り返しているのですから。
さらに伝説には尾ひれが付いてゆきます。
実は、生きたまま保護された「グレイ」と呼ばれる宇宙人もエリア51の地下施
設で科学者に協力しているのだ。政府は彼らから進んだテクノロジーを教えてもら
うのと引き換えに、彼らが人間を誘拐したりするのを黙認あるいは支援しているに
違いない。いやいや、エリア51は大衆の目を引きつける偽餌で、本当の秘密研究
基地はニューメキシコ州の砂漠に隠されているのだ・・・。
[コンスピラシィXの世界では]
ロズウェル事件で後手に回ったもとウォッチのハト派グループは、いつしか作戦
名にちなんで「イージス」と呼ばれるようになってゆきました。一方、ロズウェル
の残骸の大部分を手にしたタカ派グループは、軍の秘密兵器開発計画「ブラック・
プロジェクト」から多額の資金援助を得たため、やがて「ブラックブック」と呼ば
れるようになりました。
こうして、米国を陰で支配する2つの秘密結社が誕生したのです。
**
イージスの各メンバーは、空軍や研究所、諜報機関から有能な人間を引き抜いて
自分の配下に小グループを作りました。これらの小グループは、秘密結社の伝統に
ちなんで「セル」と呼ばれました。
どのセルに属するメンバーも、他のセルに属するメンバーについては� ��も知らさ
れませんでした。さらに、セルが大きくなると、そのメンバーの一人が新たに別の
人間を集めて子セルを作ることになります。もちろん、子セルが大きくなるとさら
に孫セル、という具合にどんどんセルが分岐してゆきます。
1つのセルに属するメンバーは、4名から6名ぐらいです。メンバーが増えると
機密保持が危うくなると考えられることから、セルを大きくするのではなくセルを
増やすことでイージスは成長してゆきました。
セル構造の例を挙げておきましょう。
あるセルXに、AからDの4名が属しているとします。Aがセルリーダーで、A
だけが親セルWとのコネクションを持っています。また、Dだけが子セルYのセル
リーダーとのコネクションを持っています。
Aは子セルのメンバーについて何も知らず、Dは親セルのメンバーについて無知
で、BとCは自分達のセル以外の情報を全く持っていません。
このような構造であるため、例えばこのセルXにブラックブックのスパイEが入
ったとしても、親セルや子セルのメンバーについて知ることは容易ではありません。
仮に何とかして情報を得たとしても、イージスの全容について知ることは出来ませ
ん。もしEがスパイだということが判明すると、セルXは親セルから切り離されて
しまいます。セルXは親セルから再コンタクトがあるまでは活動を停止します。
**
イージスはFBI、CIA、国家保安局、シークレットサービスなどを次々と手
中に収めてゆきました。また、超能力や非合法ドラッグ、洗 脳、大衆情報操作など
一般大衆に知られるとまずい技術を研究するための秘密研究所を次々に設立しまし
た。ブラックブックの魔手から身を守るためです。(もちろん、ブラックブックも
イージスの魔手から身を守るために別の手を打ちました。宇宙人との密約です)
イージスの目標は、宇宙人の脅威から人類を守ることにありましたが、やがてそ
の目標は「まず、何はともあれイージスの秘密を守る」ことに変わってゆきました。
まあ、そういうものです。
例えば、イージスの存在を発見し、公表しようとしたケネディ大統領を暗殺させ
たのはイージスです。
同様に、ブラックブックの目標も、宇宙人の脅威から人類を守ることにありまし
たが、やがてその目標は「まず、何はともあれ防衛� ��ために宇宙人の技術や能力を
手に入れる」ことに変わっていったのです。まあ、そういうものです。
**
すでに宇宙人の技術を手にしているに違いないブラックブックに対抗するために、
イージスは空軍内にムーンダスト計画を発足させました。表向きは墜落したソビエ
トの宇宙船を回収することが目的でしたが、もちろん真の目的は墜落したUFOの
回収です。
同時に、世間を欺くために空軍内に「ブルーブック計画」を設立したのもイージ
スです。本物のUFO事件は全てムーンダストが対応し、証拠を抹消します。一方
ブルーブックには偽の(嘘の)UFO事件の情報ばかりを与えたのです。もちろん
イージスのエージェントがブルーブック内に送り込まれ、重要な情報が手に入らな
� �よう妨害工作を行います。こうして、ブルーブックは当初からの予定通りUFO
現象の重要性を否定する結果を発表して終わりました。
MJ12文書はイージスにとっても謎です。マジェスティック12が「ウォッチ」
を差していることは明らかですが、誰が何の目的でこのような文書を偽造したのか
イージスの綿密な調査にも関わらず何の手掛かりも得られなかったのです。
**
やがて運営が軌道に乗ると、イージスの本部はライトパターソン空軍基地からノ
リス空軍基地にあるグルームレイク研究施設に移されました。
今や、イージスの本部にして作戦指令基地は、グルームレイクの地下にあります。
ノリス空軍基地やグルームレイク研究施設で働いている軍人、技術者、研究者のほ
とん どはイージスに無関係な人々です。彼らはイージスの存在についても知りませ
んし、自分達の中に合衆国を陰で動かしている巨大な秘密結社のメンバーが紛れこ
んでいるなどとは夢にも思っていません。施設内に、公式には存在しない階や部屋
が多数あることや、施設内の資源の多くが公式には存在しないプロジェクトのため
に使われていることにも気づいていません。
イージスとは、ノリス空軍基地やその付属施設で働く多数の人々に紛れ込んで活
動している秘密結社員と、全米に広く散らばったセルメンバー、そしてそれらを結
び付けているコンピュータネットワーク「ヘルメス」から構成される組織です。
ところで、イージスのメンバーは、グルームレイク近辺のことを決して「エリア
51」 とは呼びません。単に「ザ・ランチ(大牧場)」と呼んでいます。
**
なお、ブラックブックの秘密基地は、ニューメキシコ州の砂漠に隠されています。
そこには多数の人間と・・・そして多数の知的爬虫類が共同作業を進めています。
第9回
先日、中国への返還も間近い(97年4月現在)香港に行って参りました。今回
は、そこで私が遭遇した身の毛もよだつ恐怖体験について語ることにしましょう。
そう、あなたが信じようと信じまいと、私はかの地で疑いようもない本物の超自然
現象、そして恐るべき陰謀の一端に触れたのです・・・。
**
最初に異常に気づいたのは、香港の国際空港に到着して時間を確認しようとした
ときでした。驚いたことに、出発前に正確に合わせたはずの私の腕時計と、空港の
時計には、何と1時間もの時間差があったのです!
これはどういうことでしょうか。科学的に全く説明のつかない現象です。飛行機
が途中で時空の歪みか何かに突入したのでしょうか。それとも、飛行中にUFOに
遭遇し、乗 客全員が1時間だけ別の次元にいたとでもいうのでしょうか。
しかし、これはまだ始まりに過ぎませんでした。ホテルに到着してから私の周囲
には次々と超常現象が起こったのです。
ドアが手も触れてないのに勝手にロックされ、締め出しを食らう。朝方、枕元に
おいた10香港ドル貨幣が、昼頃に戻ってみると消滅している。日本から持ち込ん
だ100V専用の電気製品が故障でもないのにどうしても動かない・・・。
**
最大の恐怖は闇とともにやってきました。
ある晩、私は酒をたっぷり飲んで店を出たのですが、それからの記憶がないので
す。明らかに何者かによって記憶を消されてしまったのです。それだけではありま
せん。翌朝、目覚めたときには、脳の奥深くに怪しい器具� �インプラントされてい
ることにすぐ気づきました。なぜなら、その部分が激しく痛んだからです。さらに
ポケットの中に入れておいたはずの財布が非実体化するという、あり得ない現象ま
で起きていました。
私はすぐにホテルの従業員に事情を話しました。従業員が誰かに電話してからし
ばらくすると、何と二人組の「黒服の男たち」がやってきたではありませんか!
ホテルの従業員も「やつら」の手先だったのです。
**
黒服の男たちは、私が何かまずいことを覚えてないかどうか確認するためでしょ
う、昨夜の「空白の時間」について次々に質問してきました。私は何も覚えていな
いということを必死で訴えました。
やがて、私は解放されましたが、去り際に彼らは何気ない風を装っ� ��「もっと、
用心して行動した方がいい」というような意味のことを口にしました。言うまでも
なく、これ以上「コンスピラシィX紹介」でUFOについて書くな、という警告な
です。
私は身震いしながら帰国し、書きためておいた原稿を破棄しました。このため、
この連載で予定していた「レティクル座ゼータ星の秘密」「ヒル夫妻とアブダクシ
ョンケース」「キャトル・ミューチレーションの恐怖」「火星の人面石のモデルは
エルビス・プレスリーだと本人が主張」「ヘール・ボップ彗星の背後に隠れている
宇宙船にはJFKのクローンが乗っている」・・・といった真に重要な事実を暴く
記事は、公表されないまま闇に葬られることになりました。
**
あなたが信じようと信じまいと、� �学で説明できない超自然現象、そしてUFO
に関する真実を隠蔽するための陰謀は実在するのです。
**
というわけで、UFO神話の解説は中断して、とりあえず「コンスピラシィXプ
レーヤーにお勧めするUFO本」をリストアップすることでお茶を濁しましょう。
[コンスピラシィXプレーヤーにお勧めするUFO本]
・「トンデモ超常現象99の真相」 と学会 洋泉社
ISBN4-89691-251-9
UFOや超常現象について手っとり早く学ぶためのハンドブック。これさえ読め
ばコンスピラシィXをプレイするのに十分な知識が得られる。とりあえず一冊だけ
ということなら、文句なくこれをお勧めする。
・「超常現象の謎に挑む」 監修:コリン・ウィルソン 教育社
ISBN4-315-51270-2
分厚く重たい(そして高価な)本だが、収録されている多数の写真やイラストを
眺めるだけでも楽しい。様々な超自然現象が取り上げられているが、特にUFO関
連は非常に充実している。内容も客観的で突っ込みが深く、情報量が多い。
監修者があの人なので「例によってカスではないか」とびびりながら購入したが
良い方に裏切られた。
・世界はこうしてだまされた 高倉克祐 悠飛社
ISBN4-946448-31-4
・世界はこうしてだまされたII 高倉克祐 悠飛社
ISBN4-946448-33-0
UFO神話に対する反論の書。次々にUFO神話の欺瞞を暴き、種明かしをして
ゆく。UFO信者を馬鹿にすることくらい誰にでも出来るが、こうやってきちんと
労を惜しまず論証する姿勢は素晴らしい。
・別冊宝島233「陰謀がいっぱい!」 宝島社
ISBN4-7966-9233-9
陰謀論のカタログみたいな本。ユダヤ資本、フリーメーソン、ロスチャイルド、
バチカン、NASA、といったメジャーどころから、ニャントロ星人のようなマイ
ナーどころまで、密かに人類を支配している組織の多いことには驚かされる。個々
のネタについての突っ込みは浅いが、とにかく一通りの陰謀論について知りたいと
いう人(例えばコンスピラシィXを始めようという人)は重宝するだろう。
スペシャルプレゼントのお知らせ
というわけで、「コンスピラシィXに興味があるが、英語は苦手」という方のた
めに、ルールブックの抄訳を用意しました。
ご希望の方は、「コンスピラシィXスペシャルプレゼントを希望します」という
旨を書いた電子メールを、馬場まで送って下さい。
メールアドレスは『馬場秀和ライブラリ』のトップページに載っています。
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